「ICU離床椅子の実行可能性に関する記述的研究」へご協力のお願い

1.研究の概要

1. 研究の背景および目的

   集中治療領域において早期離床が有効とされています。離床とは通常、立位・歩行などベッドから離れる動作のことを指し、その前段階である座位は呼吸器治療の観点からも重症患者さんに対しても積極的に実施される事が多いです。しかし、座位姿勢を保持することが困難であるような重症患者さんにとっては、集中治療室(ICU)で使用される既存のベッドは安全で安楽に座位が行える環境とは言い難く、座位時間を延長する障壁となることをこれまで多く経験してきました。
   今回、我々はICUでの重症患者さんを想定したICU離床椅子（以下、離床チェア）開発のユーザビリティ評価を経験しました。上記のこれまでの問題点を踏まえ、これまでは通常診療のなかで既存ベッドを用いて行ってきた離床を離床チェアを用いて実施し、それが現実的に使用可能かどうか（実行可能性）を医療者の視点から検証する必要があります。
   本研究の目的は、離床チェアの実行可能性を医療者視点により評価することであり、また離床チェアを導入による患者さんの臨床的指標についても調査します。

2. 研究対象者

   臨床審査委員会承認後～2023年12月31日の間に岡山大学病院ICUにおいてICU離床チェアを使用された方10名を研究対象とします。
   以下の基準を全て満たす方を対象とします
   
   ・20歳以上
   ・ICU在室48時間以上
   ・通常診療として離床チェアを用いて座位による離床を実施する患者
   ・人工呼吸装着の有無は問わない
   ・集中治療室活動度スケール(IMS)3以下の活動性（実用的な端座位が不可）
   

3. 研究期間

   倫理委員会承認後～2024年12月31日

4. 研究方法

   当院ICUにおいて離床チェアを使用された方で、研究者が診療情報を取得し、離床チェア使用後の経過について調査します。

5. 使用する情報

   この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
   
   １．研究対象者背景：性別、年齢、身長、体重、合併症、既往歴、現病歴、バイタルサイン、各血液生化学検査、人工呼吸器使用の有無、昇圧剤使用の有無、SOFA、離床の状況など
   ２．有害事象と副作用の確認：バイタルサインの変動、痛みの増強、呼吸苦など苦痛の増強、その他医学的な有害事象の有無
   

6. 情報の保存、二次利用

   この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5 年又は研究の結果の最終の公表について報告された日から3 年が経過した日までの間施錠可能な場所（岡山大学病院総合リハビリテーション部、麻酔科蘇生科）で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の試料・情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。

7. 研究計画書および個人情報の開示

   あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
   また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等（父母（親権者）、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人）を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
   この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
   この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方（ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。）にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。