「周術期に予定外に ICU に入室になった症例の検討」へご協力のお願い

当院において手術ののち急遽集中治療室(ICU)に入室された方およびそのご家族の方へ

研究機関名 岡山大学病院

研究責任者

【岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 麻酔・蘇生学分野】
谷西 秀紀

1.研究の概要

  1. 研究の背景および目的

    外科手術の低侵襲化と安全性の向上により、現在では予定手術患者において周術期に想定外の事象に陥ることはまれで、術後集中治療を予定しない大部分の患者さんは術後回復室(Post-Anesthesia Care Unit: PACU)を通って元の病棟に帰っています。しかし、手術時間の延長、周術期の出血などの医学的要因、また患者さんの不安定な麻酔からの覚醒などが原因で、予定外に集中治療室(Intensive Care Unit: ICU)での治療を必要とする患者さんは未だ一定数おられます。さらに、ここ数年来の新型コロナウイルス感染症の蔓延によるICUの利用制限のため、本来ICU管理を必要とする患者が一般病棟に帰室せざるを得ない状況も生じており、これらの患者に急遽集中治療管理が必要も時に生じています。本研究では、術後PACU経由で一般病棟に帰室予定であったが何らかの理由で急遽ICU管理が必要となった患者につき、その入室理由とICU入室までの経緯、ICUにて行われた治療内容および予後について評価することでリスクファクターを明らかにし、予期せぬICU入室に至る患者さんを一人でも減らすことに寄与したいと考えています。

  2. 研究対象者

    2018年1月1日~2022年12月31日の間に岡山大学病院において予定手術を受けられた患者さんのうち、術後に予定外にICU入室となった患者さんを研究対象とします。

  3. 研究期間

    倫理委員会承認後~2023年9月30日

  4. 研究方法

    当院において予定手術を受けられた患者さんのうち、術後に予定外にICU入室となった患者さんについて、研究者が診療情報をもとに以下のデータを抽出し、ICU入室に至ったリスクファクターの決定とその対策について評価を行います。
    入室理由(手術に関連するもの、患者の状態に起因するもの)、またICU入室後の人工呼吸管理、臓器代替療法など侵襲的治療の有無、患者予後(APACHE IIを含む)を含む。

  5. 使用する情報

    この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

    1.患者基本情報:年齢、性別、身長、体重、診断名、手術術式
    2.手術情報:手術年月日、全身麻酔方法、手術時間、麻酔時間、術中体温、周術期鎮痛方法(硬膜外麻酔、体幹末梢神経ブロック、静脈内オピオイド投与)、術中鎮痛薬使用量、担当麻酔医(職位のみ)、術中特記すべき合併症
    3.PACU における患者情報:バイタルサイン(血圧、脈拍、経皮的酸素飽和度)、疼痛の有無と鎮痛処置、患者意識状態、その他特記すべき合併症
    4.ICU 入室時:APACHE II スコア
    5.ICU にて行われた侵襲的治療の有無とその内容、ICU 滞在日数、患者予後(後遺症の有無、退院年月日)

  6. 試料・情報の保存、二次利用

    この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院 入院棟東3階ICU 控室で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫(入院棟東3ICU 控室内)に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。

  7. 研究計画書および個人情報の開示

    あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
    また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、補佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
    この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

    この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。

問い合わせ・連絡先

岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 麻酔・蘇生学分野
氏名
谷西 秀紀
電話
086-235-7327(平日:9時00分~16時00分)