Paul Kessler先生 講演会報告 @岡山大学病院
Paul Kessler先生はドイツにあるフランクフルト大学病院 麻酔・集中治療・ペイン治療部門のリードコンサルタントでヨーロッパ区域麻酔学会(ESRA)の重鎮です。今回はB.Braun社が日本に招待した際に岡山大学病院 麻酔科蘇生科への訪問の打診があり11月17日(金)に講演会が実現致しました。
講演会では、まずMorning Lectureとして「末梢神経ブロックのカテーテル挿入-安全性と成功率を高めるためのポイント-」について講義いただきました。持続末梢神経ブロックの有用性から超音波ガイド下での刺入方法やカテーテル留置方法・注意点などを分かりやすく教えてもらえました。現在当院では持続末梢神経ブロックはほぼ施行されておりませんが、整形外科の関節手術を中心に導入を検討したいと思いました。
Morning Lecture後は手術室で実際に末梢神経ブロックをご指導下さいました。詳細は個人情報にも繋がるため割愛致しますが、私の施行した神経ブロックでは「Very good」のお言葉をいただき自信に繋がりました。拙い英語で充分なコミュニケーションはできませんでしたが、実臨床を踏まえてのディスカッションは非常に勉強になりました。
夕方にはEvening Lectureとして「整形/外傷におけるブロック-最近の傾向-」と題して1時間の講演をいただきました。上肢・下肢・体幹に関するPROSPECT(procedure-specific postoperative pain management)を中心としたガイドラインによる最新の推奨を非常に分かりやすくまとめて教えていただけました。現在当院では施行できていない神経ブロックが多く、オピオイド鎮痛薬の投与量を減らして質の高い周術期麻酔を実現するために今後に取り組んでいく必要性を改めて感じました。
講演後は夕食会として日本料理やお寿司を堪能しながら、よりフランクに情報交換ができました。Kessler先生にも満足いただけたのではと感じております。今回の講演会に向けて準備が色々と大変でしたが、非常に貴重な経験ができたと思います。ご講演いただいたKessler先生に深謝するとともに、このような機会を提供いただいた森松教授およびB.Braun社の方々に厚く御礼申し上げます。
文責 助教 荒川 恭佑