鴨川セミナー報告

この度、6/24-25に亀田総合病院で開催されたKAMEDA麻酔・集中治療セミナーin 鴨川2023に参加させていただきました。このセミナーには医学生や初期研修医を中心に20名程が参加していました。
1日目は当科の伊加先生と森松教授の講義が行われました。伊加先生の講義は『これからの麻酔科医に必要な管理と経営の能力』というテーマで、ケースを踏まえて麻酔科医の視点で病院のシステムや環境、リソースの改善のために必要な考え方を学ぶことができました。私はまだ専攻医になったばかりで、目の前の症例のことで手一杯となっている毎日ですが、研修を続けて病院や地域医療を良くするために広く考えられる麻酔科医になりたいと感じました。また、森松教授のJournal clubでは、BMJで2022年にpublishされた『Oxygen administration during surgery and postoperative organ injury: observational cohort study』を基に先生の知見を加えた講義が行われました。先天性心疾患などを除いては21%以上の酸素濃度で麻酔管理を行っていることがほとんどですが、今後の研究によっては全身麻酔管理中に生理的濃度以上の酸素投与を控えるという流れになるかもしれないというお話は印象的でした。
2日目はエコーガイド下血管穿刺、POCUS、気管切開、気道・気管支ファイバーのハンズオンが行われました。ARを用いたエコーガイド下血管穿刺や気管支ファイバー・経食道心エコーのシュミレーターなどとかなり充実しており、時間を忘れて没頭してしまいました。
また、懇親会では麻酔科研修や臨床研究、留学のことなどに関して意見交換することができ、非常に刺激的で有意義な時間となりました。鴨川セミナーでの経験を今後の日常診療に還元できるよう、日々精進いたします。

岡山大学病院麻酔科蘇生科レジデント 山下航矢