麻酔科・ペインセンター

 

麻酔科蘇生科の外来は、大きく分けて“手術を行う際の麻酔に関し術前状態を診察させていただく外来(術前外来)”と“痛みを治療する外来(ペインセンター)”と、の2つがあります。

   

術前外来 (pre-anesthesia clinic)
  術前外来は、手術を行う際の麻酔に際して、術前に患者様の全身状態を診察させていただく外来です。近年、手術の進歩は目覚ましいものがありますが、これは手術手技の向上によるものだけでなく、麻酔技術の向上によるものが大きいといわれています。岡山大学麻酔科蘇生科では、手術を受けられる方の不安を少なくし、より安全に、また手術後の痛みがより少なく快適に周術期を過ごせるように、手術前より患者様に麻酔に関する具体的なことを十分説明させていただくことを心がけています。手術前の全身状態把握のための診察が主ですが、麻酔に関してわからないことや不安な点がありましたらご遠慮なく御相談ください。術前外来の診察時間は、月曜日から金曜日の午前10時〜12時までです。
   

ペインセンター(pain management center)
 

岡山大学麻酔科蘇生科ではあらゆる痛みの治療・相談および新しい治療の開発を行うために平成14年7月1日にペインセンターを設立しました。従来の臨床部門、基礎部門を充実発展させ総合的な疼痛治療を行っています。当センターは、外来で痛みを持つ患者さんを治療するペインクリニック部門(必要であれば入院加療も可能)、院内で痛みでお困りの患者さんをこちらから出向いて対応するペインサービス部門、さらに痛みのメカニズムの解明や新しい治療を開発するペインリサーチ部門から成ります。疼痛の病因・診断・治療について今まで未解決な多くの問題をひとつでも解決すべく、ペインリサーチ部門での研究は臨床に直結したものとし、その成果はすぐにペインクリニック部門およびペインサービス部門に還元できるような三者の密接な連携体制を目指しています。また慢性痛に対しては主にペインクリニック部門が、院内の急性痛に対してはペインサービス部門が担当するこの独自のシステムにより個別の痛みを余すとこなく網羅しより高い満足度を提供しようと考えています。あらゆる痛みに対しわれわれ麻酔科医が中核となって合理的にまた責任を持って管理、診療していくことを基本理念としています。

 

   
 

最近では多くの患者様にペインセンターをより御理解いただくため、ペインセンター関連の医師、看護師およびスタッフは院内で下のようなバッジをつけ診療しています。

 
   
 

診療内容・専門分野

 

ペインセンターに関してもう少し詳しく説明します。
“痛みを治療する外来”は、ペインセンター(痛みセンター)の名称で、あらゆる痛みに対する治療を行い、相談をお受けする外来です。
“ペイン”とは英語で“痛み”のことです。“痛み”は元来、生体に侵襲(けが、手術など)が加わった時に発せられる人間が持っている警告信号ですが、その強さが異常に強かったり、必要以上に長びくと生活範囲が制限されたり、気分が滅入ったりして苦痛以外の何者でもなくなります。我々は、これらの痛みを少しでも軽減させるために、痛みの神経伝達を一時的に遮断する神経ブロック法を併用することで、集学的かつ多方面からのアプローチにより痛みの治療を行っています。

ペインセンタ−(痛みセンター)の概略
ペインセンター(痛みセンター)は、あらゆる痛みからの解放(Pain Relief)を目指して、痛みの治療を行うと同時に、痛みの原因を明らかにし、これからの新しい治療法を開発していく部門です。ペインセンターは
(1) あらゆる痛みで困っている患者様を外来診療、また必要があれば当科に入院していただき集中的に痛みを治療する部門=ペインクリニック
(2) 大学病院内で痛みをもつ患者様(手術および手術後の痛み、癌性疼痛など)に対し、こちらから出向むいて治療する部門=ペインサービス
(3) 痛みの原因を明らかにしこれからの新しい治療法を開発していく部門=ペインリサーチ
以上の3部門からなります。

それでは次に、痛みを持つ方が実際に最初に受診していただく外来部門のペインクリニックについての概略を説明します。

   
  ペインクリニックでの診療の概略
 
 

痛みセンター・ペインクリニックは岡山大学医学部附属病院外来棟の4階にあります。診察時間は月、水、金曜日の午前9時〜12時までと午後14時〜16時までです。
“痛み”治療の対象疾患としては、肩こり、五十肩、急性および慢性の腰痛、下肢痛など全身の整形外科的疾患(頚、肩、上肢、腰部、下肢)の痛みや、頭痛、顔面痛、三叉神経痛をはじめとして帯状疱疹あるいは帯状疱疹後神経痛による頑固な神経痛、また手術後の遷延する創部痛などがあります。動脈硬化症やレイノー症状など四肢の虚血性疾患は、血流を改善する交感神経ブロックを行うと同時に高気圧酸素治療を併用することで末梢血流、酸素化を改善し、痛みの軽減を行います。血流循環改善の応用として、耳鼻科や眼科領域の疾患にも効果が認められるものがあり、発症早期の顔面神経麻痺、特発性難聴や網膜中心動脈閉塞症などは他科の診察を受けながら当科にても神経ブロックが施行できるシステムを整えています。また、外来、入院を問わず、癌による痛みの相談も積極的にお受けしております。
治療の方法は、星状神経節ブロック、肩甲上神経ブロック、硬膜外ブロックなどの神経ブロック以外に、種々薬物の内服治療、近赤外線や超音波レーザーによる治療、リハビリテーション科と連携した理学療法、さらに心因的な方面からのアプローチも含め、個々の患者様にあった痛みの治療を行います。さらに、約10床の病室を準備し、集中的に神経ブロックを施行した方がよい患者様や、家庭では対処しきれない痛みの患者様、特殊なブロックが必要な患者様には入院していただき治療できる体制も整えております。

   
  ペインセンターでの主な治療・医療設備
 

●外来での治療

 

神経ブロック:各々の疾患に対して適応のある神経ブロックを主に局所麻酔薬を用いて施行します。星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、肩甲上神経ブロック末梢の三叉神経ブロック、トリガーポイント注射などが代表的です。
レーザー治療:外来、入院患者様に対して、近赤外線レーザー、キセノン温熱療法の非侵襲的器具の使用による治療を主に慢性疼痛疾患に対して行います。
薬物チャレンジテスト:難治性疼痛に対する原因検索ならびに治療目的で、数種類の鎮痛薬を点滴市、診断治療に応用しています。

 

●手術室での治療

 

透視下神経ブロック:X線透視下での神経ブロックを行います。三叉神経ブロック、神経根ブロック、椎間関節ブロック、腰部交感神経節ブロックなどが代表的なブロックです。
高周波熱凝固法:局所麻酔薬を用いたブロックではなく長期的な効果を目的に高周波熱凝固による神経ブロックを行います。最もよい適応は脊椎椎間関節に由来する慢性の腰痛症です。その他、三叉神経ブロック、腰部交感神経節ブロックなどにも応用できます。
硬膜外脊髄刺激電極の挿入:難治性疼痛に対する治療の一つとして適応症例に実施します。
 硬膜外自家血パッチ:外傷性頚部症候群の中で髄液漏が原因と考えられる症例に行います。

 

●中央放射線部での治療

 

CTガイド下神経ブロック:CT室でCTガイド下に特殊神経ブロックを行います。適応ブロックとしては、胸部交感神経節ブロックや腹腔神経叢ブロックなどがあります。
透視下神経ブロックおよび造影:手術室と同様な神経ブロックの他、硬膜外造影なども施行します。

 
 
   

 

診療実績

 

[過去5年間の外来のべ患者数の推移]

   
 

◆麻酔科外来のべ人数の推移

 
   
  外来受診のべ患者数(人)
   
   
 



[過去5年間の入院患者数の推移と疾患名]

   
 

◆麻酔科入院のべ患者数の推移と疾患名

 
   
  入院のべ患者数(人)
   
  過去4年間の累計において疾患名では、腰部脊椎疾患(35%)、帯状疱疹後神経痛(22%)、癌性疼痛(16%)の順で多い。
 


[過去4年間の外来新患数の推移]

   
 

◆麻酔科外来新患数推移

 
   
  外来新患者数(人)
   
  過去4年間の累計において疾患名では、腰頚部脊椎疾患(28%)、帯状疱疹後神経痛(10%)、三又神経痛(5%)の順で多く、診断がつかない症候性疼痛(7%)がある。
 


● ペインサービス
● ペインクリニック
●  外来診療
●  入院診療
● ペインリサーチ

ガイドライン

●抗凝固ガイ ドライン
●脳脊髄減少症ガイドライン
(C) 2007 Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry, and Pharmaceutical Sciences
Department of Anesthesiology and Resuscitology