術中呼吸管理セミナー2019開催報告

助教 小坂順子

2019年11月23日(土曜)、24日(日曜)にドレーゲルメディカルジャパン株式会社の協力で術中呼吸管理セミナーを開催しました。今年で3回目となりましたが、今回は初めて2日間の日程で海外から講師の先生をお招きしてご講演いただくことができました。医師、獣医師、看護師など様々な業種の11名の先生にご参加いただきました。

1日目は岡山大学自然生命科学研究支援センター動物資源部門鹿田施設において、午前中は森松教授によるIntroduction、オーストラリアからお招きしたThompson先生に術中の肺保護管理についてのご講演をいただきました。

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ご講演後は参加者一人ずつがThompson先生に質問をする時間がありましたが、森松教授が通訳してくださったり解答を噛み砕いて説明してくださったりしたことでより有意義な時間を過ごすことができたのではないかと思います。

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午後からはクリニカルシナリオとブタ肺を用いたハンズオン、大動物(ブタ)を用いたデモンストレーションを行いました。
クリニカルシナリオでは大岩雅彦先生から気腹・頭低位で行うロボット補助下手術術中の呼吸管理についての症例提示がありました。術中肺保護換気、リクルートメントマニューバの効果を示した論文の内容から実際の症例で行う上での注意点まで詳しく講義してもらい理解できたと思います。

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続いて、ウエットラボに移動してブタ肺を用いたハンズオンを行いました。清水一好先生から用手換気やリクルートメントマニューバによる肺の変化などの説明があり、参加者が実際に体験し観察することができました。リクルートメントマニューバを使用することで末梢の肺胞まで開存させPEEPを用いてその状態を維持することの難しさについてよく理解できたとの声がありました。

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大動物を用いたデモンストレーションは小坂が担当しました。今年は実際に気腹・頭低位を行った場合やその際にリクルートメントマニューバを使用した場合の呼吸状態の変化とともにブタ肺では見られない循環動態の変化についても観察することができたと思います。

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2日目は地域医療人育成センターおかやまMUSCAT CUBEに場所を移して行いました。
まず清水達彦先生より病的肥満患者症例に対する術中の呼吸管理を考えるクリニカルシナリオの講義がありました。動画がたくさんあり、呼吸器設定変更やリクルートメントマニューバによる呼吸・循環のパラメーターの変化がよくわかる講義でした。

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次にThompson先生に術中の呼吸管理についてのご講演とデモ肺を用いたワークショップをしていただきました。術中の肺虚脱を防ぐには安易な気管内吸引は避けるべきであり、カフを注入したまま抜管することもあるなどのお話があり驚きました。

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最後に森松教授にセミナー内容の振り返りをしていただき、無事にセミナーを終了することができました。

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参加者の先生方からは「症例ベース、実習ベースで臨床に落とし込みしやすそう」「麻酔器を用いて理論の検証を行った点が良かった」などのご意見をいただきました。
来年度も引き続き内容をブラッシュアップしてセミナーを開催する予定ですので、ご興味があれば是非ご参加ください。