OUAR DIARY

術中呼吸管理セミナー2021 終了報告 ドレーゲルジャパン株式会社主催&当科監修にて例年開催しております術中呼吸管理セミナーですが、昨今のコロナ情勢を踏まえ、11月20日にWeb開催致しました。

最初は、森松教授による『Journal club 最新の知見』というテーマのもと2021 A&Aにて発表された術中肺保護の遵守に関する論文の内容を紹介いただきました。AIを駆使した斬新な手法で研究が行われており、普段聞き慣れない内容もありましたが、非常にわかりやすく解説して頂きました。肺保護戦略を浸透させるためには教育だけでは不十分で、それを効果的に普及させたAIによるDecision supportには今後臨床においても大きな可能性を感じる内容でした。
続いて、私岡原修司より『Covid-19重症患者から学んだ全身管理』をお話させて頂きました。内容としては、術中呼吸管理よりも集中治療管理寄りにはなりましたが、コロナ禍の中で学んだ自発呼吸管理の難しさとその方法について、最新の知見と我々の施設の経験を絡めてお話させて頂きました。
次に成谷俊輝先生から『全身麻酔中の呼吸管理』について、麻酔科医であればマスターしておくべき術中人工呼吸の基本(レジスタンス&コンプライアンス)をグラフィックスモニタリングの見方も含めて解説し、さらにマルチステップリクルートメントにも触れ、臨床で活かせるような講演内容でした。
最後にUKのSt Richard’s HospitalのDr.Mike Margarsonから『Intra-operative Lung-protective Ventilation strategies - lessons from dealing with the Obese』高度肥満患者への術中肺保護換気についてご講演頂きました。前半で肥満患者の生理学的な側面の解説、後半に実際の研究をもとにした最新のエビデンスを説明して頂き、さらに森松教授からの日本語での解説もあって、この講演に参加できてよかったと思える内容でした。肥満患者は確かにPEEPが著効する場合もありますが、無闇に上げるのではなく、低血圧や肺高血圧などの循環への影響なども考慮して、6cmH2Oから調整していくのが妥当と学びなおしました。

このセミナーにご参加いただきました方々、ご講演いただきました先生方、そしてこの会を開催してくださったドレーゲルジャパン株式会社の方々にお礼申し上げます。

文責 助教 岡原 修司