OUAR DIARY

レジデント 山﨑 友輔

岡山大学麻酔科蘇生科の専攻医プログラムには、「Early Exposure Program」という制度があります。この制度は私たちレジデントに対する「今後の医師としてのキャリアを進めていく上で、早い段階から海外に触れて欲しい」という、上級医の厚意のもとで成り立っており、レジデントは海外の学会に参加することができます。今回、私も10月14日-17日までオーストラリア(メルボルン)で開催された世界集中治療医療会議(WFSICCM)にEarly Exposure Programで参加させていただきましたので、ご報告させていただきます。

今回WFSICCMに参加するにあたり、当初予約していた羽田発のフライトが台風19号の影響で欠航することが前日に決まりました。学会参加も断念せざるを得ないかと思われましたが、先生方や秘書さんが交通状況等、様々な情報を調べて下さり、無事に12日に関西空港発の別便で学会に参加することが出来ました。

WFSICCMは1977年に高水準の集中治療を推進することを目的に設立され、2年に1度催されている学会です。今年はメルボルンコンベンションセンターで開催されました。
複数のセッションに参加しましたが、敗血症に関連した話題が多かったように感じました。

循環のセッションでは、敗血症性ショックの患者における昇圧薬としてノルアドレナリンが第一選択として推奨される理由について、他の昇圧薬(ドパミン等)との比較を行ったRCTの結果をもとに示されていました。「死亡率に差はないが、不整脈の誘発が少ない点」等が強調されていました。また腎臓のセッションでは、集中治療の場で腎代替療法を開始するタイミングについてAKIKI studyやELAIN study等の結果が説明されていました。しかし、早期・晩期のどちらのタイミングで腎代替療法を開始するのが良いかはまだ不明であり、医療者の判断で必要な時期に行うことが重要だと強調されておりました。岡山大学病院のICUでも敗血症に出くわす機会は多くありますが、上級医はこれらのエビデンス等を踏まえながら診療にあたっているのだと実感しました。個人的に印象的だったのは、敗血症の治療としてビタミンC療法についての報告で、ビタミンC療法で昇圧薬の使用量が減量できたとしていました。

期間中は教授と行動を共にする時間も多く、色々なお話を伺うこともできました。レジデントとしてどういったことを学んでほしいかなど、教授の考えていらっしゃることを知り、改めて日々の業務に邁進していきたいと思いました。また、岡山大学麻酔科蘇生科からメルボルンに留学されている先生方や関連病院の同門の先生方と、食事会等でお話させて頂く機会もありました。様々な先生方から様々なキャリアを伺えるというのも、岡山大学ならではの特典です。私も視野を広く、色んなことに興味や関心を持ち、多くのことに挑戦していく姿勢を大事にしたいと思いました。観光にも行き、ヤラバレーでは美味しいワインを楽しみながら、オーストラリアの豊かな自然や動物に触れ合うこともできました。 

初めての海外学会参加でしたが、多くのことが印象的で、充実した時間を過ごすことができました。自身の英語力の乏しさを実感する一方で、いつかは自分も先生方のように何らかの形で海外に発信できるような仕事をしたいと思いました。

最後になりますが、今回このような素晴らしい学びの機会を頂き、本当に有難うございました。森松教授をはじめ、医局の先生方には勤務の調整等でご尽力頂きました。皆様のご理解、ご協力の上で、今回WFSICCMに参加できたことに大変感謝すると同時に、今回の経験を無駄にせず、今後の業務の糧にしてまいります。

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