OUAR DIARY

レジデント 池田 遼太郎

この度 Early exposure Programの一環として、2019年3月19-22日にベルギーのブリュッセルで開催された39th International Symposium on Intensive Care and Emergency Medicine (ISICEM)に、森松教授、藤村 友先生の3人で参加させていただいたのでご報告させていただきます。
ISICEMとは、Erasme University Hospital, Universite Libre de Bruxelles,の救命救急科、集中治療科、Berlin society of Intensive Care Medicineの共同で1980年に発足された歴史あるシンポジウムであり、医師、看護士やその他のパラメディカルを含む6200人以上の参加者に集中治療、救命救急の研究、治療に関する最新のレビューを提供することを趣旨としています。

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プログラムは主にStandard presentation, Tutorial, Meet the expert, Pro-con debateの4つから構成されていました。スライドは見やすく簡潔にまとまっており、時折ユーモアを混ぜられながらメリハリをつけて行われるプレゼンテーションが多く、自分が発表する際の参考になりました。
岡山大学病院ではレジデントは月単位で強化月間が設定されており、1ヶ月に1つの分野を集中的に研修できるのですが、私はちょうどICU強化月間中であり、日常的に集中治療に関わる機会が多かっただけに、どの講演も非常に勉強になりました。Exhibitionも国内未発売のデバイスやモニターが多数展示されており、業者の方も参加者に熱心に説明しており、活気がありました。
ヨーロッパの学会であり、英語が第一言語ではない参加者が多いためか、英語は比較的平易で聞き取りやすい印象でした。とはいえ、基礎となる知識も十分とは言えず、普段から英語に触れてこなかったため講演内容を完全に理解するのは難しかったです。

聴講した内容の中に”How I see the future”というセクションがあり、その中でもワイヤレスのモニターを患者に装着し、急変を医療者に伝えるのみならず、生化学検査や看護師が感じた印象と統合し、患者の急変を予測するシステム(Nightngale solution)の講演が興味深かったです。ICUから一般病棟へ移る過程でモニターの頻度や関わる医療スタッフが減少する現状において、急変時に気付かれず病状が悪化して患者死亡や後遺症が生じてしまうリスクを下げることを目的としたシステムでした。既にプロトタイプがいくつかの施設で試験運用されているようで、今後の展望が楽しみです。
日本人の演者は少数でしたが、岡大関連病院からは、福山医療センターの石井先生が感染防護策について発表されており、勉強になるとともに、自分もいつかこのような舞台で発表してみたいと、モチベーションアップにつながりました。

学会の後は、ベルギービール、ムール貝、ベルギーチョコ、ワッフル等、現地料理を堪能することができました。特にベルギービールの種類の豊富さ(1000種類以上!)には目を見張るものがあり、日本のものとはまた違った味わいで非常に美味しかったです。
また開いた時間には森松教授、石井先生、藤村先生とブリュッセル、アントワープを散策しました。グランプラスはフランスの文豪ヴィクトルユゴーが「世界一美しい広場」と称えたことで有名ですが、想像以上のスケールとその美しさにただ圧倒されるばかりであり、有名なションベン小僧のささやかな存在感も見ていて微笑ましいものがありました。アントワープではノートルダム大聖堂を訪れ、かの有名な(現地ではそれほど有名ではないらしいですが)フランダースの犬のネロとパトラッシュのモニュメントを見ることができみました。
基本的に教授と行動を共にすることが多かったため、臨床の疑問から日常的なことまで、道中いろいろな話を聞くことができました。普段の業務中に教授と話す機会は多くはないため、こういったところもEarly exposure Program の良いところだと思います。

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今回学会に参加させていただき、自らの知識不足や英語力等数多くの課題が浮き彫りとなりましたが、実際に国際学会の空気に触れ、五感を使って体験することでより具体的に将来像をイメージすることができました。
この経験を糧とし、自分もいつの日かあの舞台に立ち、臨床のみならず、研究成果を世界に発信できる一流の麻酔科医になるべく粉骨砕身し、力を尽くそうと思います。
最後に、このような機会を与えて下さった森松教授、勤務調整にご協力いただいた医局員の方々に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。