OUAR DIARY

日本心臓血管麻酔学会に参加して

レジデント 林 文昭

9月16日から3日間、栃木県自治医科大学にて開催された日本心臓血管麻酔学会第22回学術大会に参加させていただきました。

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品川駅から約2時間。自治医科大学は宇都宮市からほど近くの広大な敷地の内にあり、初日から会場は多くの参加者でとても盛り上がっていました。個人的にもはじめて参加する学会で準備の段階からすでに楽しみにしていました。会場は心臓麻酔専門学会にもかかわらず幅広い性別年代の先生方が参加されています。

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岡山大学からは森松先生、岩崎先生、清水先生、末盛先生、金澤先生、塩路先生、木村先生のシンポジウムやポスター発表があり僕も最終日のポスター発表をさせていただきました。
各会場では上級医の先生の発表の臨場感を感じ、僕に近い若い世代の先生たちの発表も見ることができとても興味深く勉強になりました。
セミナーも各分野の知識を踏み込んで聞く機会があり、会場全体が集中している様子が印象的でした。

岡山大学麻酔科の大先輩であり、現在自治医科大学麻酔科教授の竹内護先生と前岡山大学心臓血管外科教授である佐野俊二先生が岡大にいらした時のお話を生で聴ける機会も本当に貴重で自分が今学んでいる環境のルーツを感じることができて感動しました。
岡大小児麻酔科の岩崎教授のさらに上司でいらした先生のお話を聞くなんて、僕にとってはもう想像がつかないほどのお話です。またその体験談から僕ら若手麻酔科医師が患者さんに寄り添うことで学べることの重要性を再度教えていただきました。

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2日目の懇親会も多くの方が参加されていました。
竹内先生のお計らいで、牛の丸焼きが振舞われました。すごいインパクトでとても美味です。そのほか宇都宮餃子にも長蛇の列でした。 また牛と餃子と上級医の先生のお力で3日目の僕自身の発表もなんとか終えることができました。

これからも本学会に参加したいと思えるような貴重な経験でした。
今回発表準備に多くの時間を割いてくださった先生方、参加させていただける機会を与えてくださった全ての先生方に感謝しお礼申し上げます。

医員 木村 聡

2017年9月16日(土)から18日(月)にかけて、「心臓麻酔の原点」をテーマに栃木県自治医科大学で心臓血管麻酔学会第22回学術集会が開かれた。史上初となる日本4列島全てに上陸した台風第18号が本学術集会を直撃するという不運もあったが、盛会であった。個人的には、テニス部時代に自治医科大学と毎年交流戦を行なっていたこともあり、自治医科大学には多少なりとも思い入れがあり、本大会に参加できたことに感謝したい。

招待講演では、Zurich University HospitalよりSpahn先生を、Royal Children’s HospitalよりMackenzie先生を、Ewha Womans UniversityよりHan先生が来日し、心臓麻酔・循環管理といった総論から、左心底形成症候群の管理といったコアな部分までカバーされた講演を行っていた。教育講演は全体で23講演にのぼり、若手からの積極的なプレゼンテーションが印象的であった。
シンポジウムでは、心臓手術に関連した様々な話題を元に活発な議論が行われていた。特に心臓血管麻酔術後のAKI管理を題材としたシンポジウムでは、AKI診断基準やガイドライン作成・バイオマーカーの検討など同分野に明るい土井先生を演者として迎えており、公開討論では誰もが直面する輸液・利尿薬・腎不全といった問題を扱っていた。臨床と研究の両側面に基づいた討論は非常に興味深い内容であった。ポスター発表も、症例報告と研究発表を中心に垣根の低い活発な討論がなされていたが、考えさせられる場面もあった。それは、研究背景や研究内容・結果に対する意見でなく、一個人の経験を基に他施設の医療を非難するというものであった。学問的な討論の場においては、不確かな医療に対して真実を追求しようとする研究に対し一個人の信念から批判するという姿勢を取るのではなく、建設的な意見を戦わせたいものである。

麻酔科医であれば、仮に心臓麻酔に普段は従事しておらずとも、弁膜症や虚血性心疾患患者、心臓手術後の患者に麻酔をすることは決して稀ではない。また、近年は先天性心疾患症例も増えており、麻酔科医であれば心臓麻酔に関する知見・知識を得ることは避けては通れない道である。今回、短い間であったが本学会に参加できたことを嬉しく思う。