OUAR DIARY

第16回WCA(World Congress of Anaesthesiologists)に
参加してきました。

今回のWCAは2016年8月28日から9月2日まで、Hong Kong Convention and Exhibition Centreで行われました。WCAはWFSA(World Federation of Societies of Anaesthesiologists)の主催する学会で、4年に1回開催されます。2016年はリオデジャネイロオリンピックが開催されましたから、オリンピックと同じ年にのみ開催される学会ということになります。WFSAのミッションは、「世界中の麻酔科医を団結して、患者のケアを改善し、安全な麻酔を提供する」ことです。WFSAは1955年の設立以来、新しい研究を推進することよりも、教育や環境の整備に重きを置いて活動している団体です。今回のWCAでは、6日間で130を越えるワークショップとPBLDが行われ、教育を重視したプログラムになっていました。

今回、聴講した講演のひとつを紹介します。LIFEBOXという取り組みを紹介した、WHO’s safe surgery saves lives campaign lead adviserのAtul Gawande先生のご講演です。パルスオキシメーターがない手術室が、サブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南のアフリカ)では70%、南米では41%、南アジアでは45%あるようです。LIFEBOXはそれらの国々にWHO surgical safety checklistとパルスオキシメーターを普及させることにより患者の命を救うことが目的で、今回の学会の主催者のWFSAも出資している取り組みです。2011年に始まったLIFEBOXにより、5年間で13000のパルスオキシメーターを100の国々に寄贈し、合併症発生率と死亡率が40%以上減少したということです。500人以上は入場できそうな大きなホールにほぼ満席の聴講者がいましたが、講演の最後には聴講者全員が立ち上がり拍手を贈りました。

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とても大きな会場でのAtul Gawande先生のご講演。最後に全員でスタンディングオベーション。

今回のWCAでは600を越える一般演題が採択されており、私が所属する岡山大学麻酔科からも1題採択されました。トンガからの留学生Vika Lemoto先生の「Desaturation during induction of anesthesia: Which patient?」という演題です。Vika先生が演題発表を行ったセッションは、Safe and Quality部門のePoster Discussionで、10題の一般演題が90分で発表されました。我々は、聴いていただいた先生方や座長の先生方から貴重な提案をいただきとても有益な発表ができました。座長の先生は2人おられましたが(香港の先生とインドネシアの先生)、ユーモアをまじえながらなごやかな進行をされていました。

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Vika先生のSafe and Quality部門のePoster Discussionでの発表。

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Vika先生の発表終了後、同じセッションで発表された先生との記念撮影。広島大学の先生方、ありがとうございました。

香港は独特の雰囲気をもつ大都会で、映画「小林サッカー」と「恋する惑星」をなんとなく思い出しました。モンゴルから日本麻酔科学会海外留学生受け入れ事業にて岡山大学に3ヶ月来られていたOdgerel先生と学会場で久しぶりに会えて、近況を聞くことがでたことはうれしい再会でした。食事も大変おいしく、学会会場以外でも、とても楽しく過ごすことができました。次回のWCAは2020年9月にチェコのプラハで行われます。東京オリンピックと同じ年です。WCAは教育を重視したプログラムになっていますので、とくに若手の先生方におすすめです。

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学会会場で再会したVika先生とOdgerel先生

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続々とグランドホールに入る参加者

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文責 杉本