OUAR DIARY

川口先生、林先生の壮行会を行ないました。

 全ての組織にムードメーカーが必ずいます。
 ムードメーカーは周りを明るくし、調和を重んじ、どんな時にも一生懸命に対応してくれる組織には欠かせない人間です。今回、他病院へ転勤となり送別会の主役である川口勝久医師と林尚徳医師は、二人とも麻酔科のムードメーカーとして活躍してくれました。
 もちろん、ムードを作ってくれただけでなく、岡山大学の医局レジデントとして生え抜きの高い全身管理能力と麻酔蘇生の技術力を持っていました。
 送別会の会場は土佐が誇るカツオで有名な「明神丸(岡山本町店)」でした。店内は、注文を受けるたびに体育会系元気店員の復唱が飛び交う喧噪と、絶品のカツオ料理で溢れかえっていました。

 土佐の新鮮な鰹は臭みが少なく、生姜や薬味なしでも十分に素の味を堪能できます。

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 店内の中央スペース大テーブルは全て麻酔蘇生+集中治療の医師と鰹で埋め尽くされました。恒例のお別れ挨拶が始まり、各先生から名残惜しさと期待の一言が贈られていきます。後半には2人自身から皆へメッセージがありました。僕自身は川口医師と林医師が自身の口から吐露された「なぜ麻酔科医となったのか」という話が大変興味深かったです。
 川口先生からは、真面目に真摯に麻酔科医師の格好良さと自分の尊敬する麻酔科医の出会いが語られました。
 林先生からは、外科から麻酔科へ志望科が変更となった話、そして尊敬する麻酔科医との出会いが語られました。
 2人とも真剣に熱意をもってお別れの挨拶をされていました。2人共から感じたのは、麻酔科医として「人と人との出会い」がいかに大切かということです。尊敬と憧憬の気持ちを抱く先輩麻酔科医がいたからこそ、2人は辛い環境で成長し、今日という巣立ちの日を迎えたのでしょう。
 個人的には、川口医師と林医師の2人とは仮想空間遊戯の中でも親友であり、困難症例発表数で1位2位を争うライバルであり、危機的な状況の患者を救命する現場の戦友でした。
 目をつぶれば、予期せぬ大量出血で一緒にポンピング輸血し患者の命を繋いだ麻酔や、医局旅行や直島セミナーの成功の裏方として苦労を分かち合った事や、3人で人間臭さ溢れる会話をした事が昨日のように思い出せます。
 出会いと別れは組織の常ですが、2人がいなくなって本当に寂しい気持ちになります。人生で言葉を交わせる人の数はたかが知れています。そんな中で、清濁を合わせ飲め、困難とそれを乗り越える苦楽を分かち合える人は本当にほんの一握りでしょう。

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 川口医師と林医師と出会い、喜びや困難を共有できたことは僕の人生にとって大切な財産です。2人は、それぞれが「尊敬する麻酔科医」に成長し、誰からも「共に働きたいと願われる医師」へと成長するでしょう。ただ、能力が高いだけで無く、共に働きたいと思われる力こそが彼らの未来への道を明るく照らしているのでしょう。僕もその道を少しでも明るく照らせる存在であり続けたいと願います。
 たくさんの笑顔に囲まれ二次会会場へと向かう2人の後ろ姿を見ながら、僕は送別の言葉を心の中で呟きました。

文責 吹田晃享