全身麻酔中における人工呼吸器設定の現状

人工呼吸療法の重要な役割は、酸素投与や侵襲的陽圧換気により、適切な酸素化や換気量を維持することにあり、全身麻酔管理においては必須の治療です。しかし、全身麻酔中の適切な呼吸器設定に関してはコンセンサスが得られていないのが現状です。
最近の研究においても、周術期の高濃度酸素投与や(1-4)、全身麻酔中の肺保護換気に関して検討されましたが(5, 6)、その効果は依然として議論が分かれるところです。 さらに、全身麻酔中にどのような呼吸器設定が、どのぐらいの頻度で使用されているかという現状もほとんど知られておりません。

参考資料・文献リスト

  • Belda FJ, Aguilera L, Garcia de la Asuncion J, Alberti J, Vicente R, Ferrandiz L, Rodriguez R, Company R, Sessler DI, Aguilar G, Botello SG, Orti R. Supplemental perioperative oxygen and the risk of surgical wound infection: A randomized controlled trial. JAMA 2005;294:2035-2042.
  • Myles PS, Leslie K, Chan MT, Forbes A, Paech MJ, Peyton P, Silbert BS, Pascoe E. Avoidance of nitrous oxide for patients undergoing major surgery: A randomized controlled trial. Anesthesiology 2007;107:221-231.
  • Meyhoff CS, Jorgensen LN, Wetterslev J, Christensen KB, Rasmussen LS. Increased long-term mortality after a high perioperative inspiratory oxygen fraction during abdominal surgery: Follow-up of a randomized clinical trial. Anesth Analg 2012;115:849-854.
  • Cornet AD, Kooter AJ, Peters MJ, Smulders YM. Supplemental oxygen therapy in medical emergencies: More harm than benefit? Arch Intern Med 2012;172:289-290.
  • Futier E, Constantin JM, Paugam-Burtz C, Pascal J, Eurin M, Neuschwander A, Marret E, Beaussier M, Gutton C, Lefrant JY, Allaouchiche B, Verzilli D, Leone M, De Jong A, Bazin JE, Pereira B, Jaber S. A trial of intraoperative low-tidal-volume ventilation in abdominal surgery. N Engl J Med 2013;369:428-437.
  • Hemmes SN, Gama de Abreu M, Pelosi P, Schultz MJ. High versus low positive end-expiratory pressure during general anaesthesia for open abdominal surgery (provhilo trial): A multicentre randomised controlled trial. Lancet 2014;384:495-503.

本研究の目的

本研究の目的は、全身麻酔中の人工呼吸器設定の現状を明らかにすることです。このことにより、他国の報告と比較する事が出来るようになります。
また本研究の結果により、今後の介入試験によって検証を行うことが妥当な仮説を構築することができるか否かの検討が可能となり、全身麻酔中の適切な患者管理を検証する研究を構築するうえで必須の情報源になると思われます。

多施設共同研究に向けての取り組み

Okayama Research Investigation Organizing Network(ORION)プロジェクトの1つとして動き出し、2014年8月開催の第1回ORION会議にて検討されました。
また、多施設研究として2015年3月の岡山大学倫理委員会にて承認されました(受付番号1052)。

参加施設一覧

  • 施設番号参加予定施設
  • 1岡山大学病院
  • 2国立病院機構 岡山医療センター
  • 3岡山協立病院
  • 4岡山旭東病院
  • 5岡山済生会病院
  • 6岡山市立市民病院
  • 7岡山赤十字病院
  • 8岡山労災病院
  • 9梶木病院
  • 10川崎医科大学
  • 11川崎医科大学附属川崎病院
  • 12倉敷成人病センター
  • 13津山中央病院
  • 14松田病院
  • 15水島協同病院
  • 16尾道市立市民病院
  • 17広島市立市民病院
  • 18国立病院機構 福山医療センター
  • 19福山市民病院
  • 20三原赤十字病院
  • 21国立病院機構 岩国医療センター
  • 22鳥取市立病院
  • 23香川県立中央病院
  • 24香川労災病院
  • 25滝宮総合病院
  • 26三豊総合病院
  • 27屋島総合病院
  • 28愛宕病院
  • 29高知医療センター
  • 30高知大学 医学部
  • 31近森病院
  • 32済生会今治病院
  • 33神戸赤十字病院
  • 34神戸大学大学院医学研究科
  • 35高砂市民病院
  • 36姫路聖マリア病院
  • 37姫路赤十字病院
  • 38姫路中央病院
  • 39舞鶴共済病院
  • 40亀田総合病院
  • 41国立がん研究センター 中央病院
  • 42静岡がんセンター
  • 43自治医科大学とちぎ子ども医療センター
  • 44昭和大学横浜市北部病院

多施設共同研究調査の流れ

対象者:16歳以上の全身麻酔症例

除外基準
・1時間以内に麻酔終了した場合
・自発呼吸患者(自発呼吸温存・抜管前)
・ECMO、人工心肺の場合

2期に分けて調査を行います。
下記どちらかの期間を選択してください。
(両方される必要はありません)

第1回 2015年9月14日~9月18日(5日間)
第2回 2015年11月9日~11月13日(5日間)

こちらの調査票を必要枚数印刷して手書きでご使用下さい。

<施設番号と患者番号に関して>

◆施設番号:こちらを参照してご記入下さい。
◆患者番号:各施設で都合の良い患者番号を割り振っていただいて構いません。

※患者番号は、患者を直接特定できるような情報(IDや名前等)を、
 こちらに送って頂く事態を避けるために割り振って頂く番号です。
 連続番号である必要はありません。

※患者番号とその患者を特定する情報(IDや名前)の対応表を、
 各施設で作成し、2年間保管して下さい。

例)①岡山医療センターで、9月14日に手術室1の2例目で行われる患者
   → 施設番号:2 、患者番号:0914-01-2
  ②岡山大学で、9月15日に手術室3で夜間に緊急で行われた患者
   → 施設番号:1 、患者番号:0915-03-E

調査の流れ

麻酔開始1時間後の人工呼吸器設定に関する
情報・バイタルサイン等について調査票に沿ってご記入下さい。 ●1時間後に手術が終了していても麻酔中であれば対象とします。
●麻酔開始から1時間の患者の経過は問いません。

これを調査期間の5日間続けて下さい。

返送用封筒にて調査票を下記までお送り下さい。

〒700-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
麻酔・蘇生学分野 三原宛て