麻酔・集中治療セミナー in 鴨川 2018 報告

今年も、麻酔・集中治療セミナー in 鴨川(通称:鴨川セミナー)が7月7-8日に行われました。今年で第3回目を迎えた鴨川セミナーも7月の恒例行事となりつつあります。本年は、七夕にも関わらず、研修先のマッチングを控えた学生の皆様や麻酔・集中治療に興味のある研修医の方々に参加いただきました。

1日目の7日、亀田総合病院最上階の講義室に集まった参加者の皆様に亀田総合病院理事長の亀田隆明先生、岡山大学医歯薬総合研究科麻酔蘇生学分野教授の森松博史先生から開会の挨拶を頂いたあと早速講義が始まりました。

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トップバッターは岡山大学病院手術部助教の清水一好先生の呼吸の講義でした。気道確保の基礎から、換気・挿管への対応まで幅広く講義いただきました。昨年に続き清水先生の講演は大好評です。

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2番目の講義は、岡山大学病院集中治療部助教の金澤が行いました。こちらも昨年に続く循環の講演も、基礎から生理学を中心に循環指標のパラメーターの意義を解説しました。

小休憩を挟んで後半は、岡山大学病院麻酔科助教の谷真規子先生から留学経験の講演をして頂きました。亀田総合病院で初期研修を受けた亀田卒業生でもある谷先生がいかにして麻酔科医になったか、またどのような道のりで留学をなし得たかを情熱的にたっぷり話して頂きました。

初日最後の講演は、アメリカへ留学し、そのままアイオワ大学麻酔科のassociate professorに就任された植田健一先生からアメリカと日本の違いやこれからの日本の麻酔科医のあり方について大変有意義な講演をして頂きました。

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すべての講演終了後、これも恒例の亀田総合病院院内ツアーを行いました。充実した施設を見学し、参加された方々もおどろいたり、亀田総合病院での研修をかんがえたりと楽しんだようでした。

初日の夜は、懇親会です。亀田総合病院のレストランで作られたおいしい料理を頂きながら楽しくお酒を飲み、参加者と講師陣が仕事からプライベートな話まで楽しく交流を深めました。病院最上階で懇親会中震度5弱の地震に見舞われるなどハプニングもありましたが、楽しい夜を過ごし初日は終了しました。

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2日目は、岡山大学森松博史教授のjournal clubで始まります。毎年、森松教授が最近のトピックの中から最新の論文を選び皆に解説してくださいます。これも毎年若い先生に好評です。

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続いてケースシナリオで、実際のバイタルサインや手術の動画を参照しながら実症例を通して臨場感あふれる講演を体験しました。

その後は2日目のメインイベントであるハンズオンです。もはや麻酔科医には必須の手技であるエコーガイド下血管穿刺や、声門上器具を使用した気管ファイバー挿管をたっぷりの時間と機器を準備して頭と手を動かしました。参加者一人一人に、これほど時間と機器を十分使用するハンズオンは他に例を見ません。ハンズオンはデブリーフィングまできっちり行い、セミナーは終了に向かいました。

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最後に、森松博史教授から閉会の挨拶を頂き盛況のうち無事セミナーは終了しました。

来年度は少し趣向を変え再出発します。ためになる講義やたっぷりのハンズオン、他で体験できない懇親会など楽しい事間違いなしのセミナーとなるはずです。是非来年度、麻酔・集中治療を目指す若手医師のたくさんのご参加をお待ちしています。

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文責 岡山大学病院集中治療部助教 金澤伴幸

鴨川セミナー 参加者の感想

亀田総合病院初期研修医1年
西岡 謙仁

 チーバくんを知っていますか?亀田総合病院があるのはどの辺りか知っているでしょうか?亀田はちょうどチーバくんのお尻あたりに存在します。東京から車で1時間半。電車で2時間ほど。鴨川は想像以上に田舎です。しかしながら、そんな鴨川にも魅力はたくさんあります。なんといっても海。波は全国でもトップクラス。病院の真下の海岸でサーフィンの全国大会が開かれるほどです。週末になると他県から何時間もかけて鴨川まで多くのサーファーがきています。

 そんな美しい海を見下ろすことが出来る亀田総合病院K棟13階で麻酔・集中治療セミナーin 鴨川2018は開催されました。時を同じくして、岡山県では西日本豪雨が直撃していました。自分の好きなことを学び、時間を使うことができない方が多くいたと思います。そのような状況において、我々に学びの時間を提供してくださった岡山大学麻酔科の先生方には感謝しかありません。本当にありがとうございました。

 医師になって4ヶ月の私には2つ心掛けていることがあります。
①ワクワクすることを探し続ける
②後悔しても帰ってこない時間がある、だからまずやってみる
麻酔科セミナー参加は即決でした。CV挿入、Aライン手技を身に着けることが出来る。
ただ、7月に入り麻酔科研修生活が始まると、手術中患者の命を預かっているという緊張と、自らの無知が原因の不安に日々葛藤していました。平均血圧を65以上に保つことができていればそれで良いのだろうか。輸液ボーラスで投与することが最善なのか、血管収縮薬を投与するべきなのか、麻酔の深度を浅くすることが必要なのか。呼吸状態は大丈夫だろうか、VTや、プラトー圧はこれで正解なのだろうか。患者の背景、術中の心機能がFrank-Starlingの曲線上ではどの位置にいて、ここでボーラスするとどのような効果を得ることができるのか、CVPの評価をどのようにすることが良いのか。
 不安や疑問をすべて解決することができたとは言えないですが、考え方のいろはを学ぶ良い機会でした。

 Journal Clubもしかり、亀田でも週に2回Journal Clubがあり、私はいつも新しい情報に触れることができています。しかしながら、森松 博史先生のJournal Clubとなると、得るものが少し違うような気がしました。参加することで、麻酔管理の最新情報・研究吟味の方法を学ぶことは当たり前のこととして、先生の意見から、麻酔科における研究のワクワクを感じました。

 岡山から遠く離れた土地にてこのワクワクを知ることができて、とても有意義な時間でした。
 私にとって、ワクワクすることと言ったら海外へ飛び出し、遊ぶこと(学ぶこと)がベスト5の中に入ります。セミナーでは岡山大学病院 麻酔・蘇生学 助教 谷 真規子先生から臨床教育を学ぶための留学経験談、アイオワ大学 麻酔科 教授・亀田総合病院 麻酔科 部長 植田 健一先生からこれからの麻酔科医に求められるものについて話を聞くことができました。

 理由は何でもよいと思います。ただワクワクしたから。私はそれだけの理由から、様々な視点からの意見を、一度の機会で取り入れることができるセミナーに参加できました。そして、自らのロールモデルとしてみたいと思える先生に出会えたことは何にも代えがたい経験となりました。

 麻酔科、海外、手技、海、もし何かしらワクワクすることがあれば是非、次回の麻酔・集中治療セミナーin 鴨川へ参加することを私は勧めたいです。