「人工呼吸中の鎮静強度とICU退室3か月後の精神機能の関連;後ろ向き観察研究」へご協力のお願い

2011年8月15日~2013年7月23日に当院の ICU に入室され、
「集中治療の心理的影響とその関連要因に関する研究」に
ご協力いただいた方およびそのご家族の方へ

研究機関名 岡山大学病院

研究機関長

金澤 右

研究機関名 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

研究機関長

大塚 愛二

研究責任者

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学科 教授 森松 博史

研究分担者

岡山大学病院 看護部 看護師長 岩谷 美貴子
岡山大学病院 手術部 助教 清水 一好
岡山大学大学院保健学研究科 看護学分野 教授 森本 美智子

1. 研究の概要

1)研究の背景および目的

集中治療医学の発展により、救命率は向上してきました。一方で、集中治療室(intensive care unit; ICU)で治療後の患者さんの半数以上が心的外傷後ストレス障害(post traumatic stress disorder; PTSD)、不安、抑うつのいずれかを抱え苦悩されていることがわかってきました。ICUでこの問題を予防するには,ICUで介入できる原因を明らかにすることが必要です。
人工呼吸を必要とする重症な患者さんは、通常、チューブの苦痛や不安、ストレスの軽減などを目的に鎮静剤を用いて一時的に眠ってもらいます。しかし、過度な鎮静は、リハビリテーションなどの機会を遅らせ人工呼吸期間が延長するなどの弊害がわかっています。そのため、人工呼吸中であっても覚醒し、リハビリテーションなどに取り組めるようにすることが推奨されています。しかし、適切に行わないと、患者さんの苦痛やストレスは強くなり、ICU退室後の精神機能に影響を及ぼしかねません。しかし、この鎮静管理とICU退室後の精神機能との関連は十分検討されていません。近年の深刻な ICU退室後の精神機能障害の課題を考えると、人工呼吸中の鎮静管理がICU退室後の精神機能へ与える影響を検討することが必要だと考えます。
そこで、ICUに48時間以上在室し、人工呼吸療法を行われた患者さんを対象に、ICU退室3か月後の精神機能を調べた研究データの一部を活用して、人工呼吸中の鎮静強度とICU退室3か月後の精神機能の関連を明らかにしたいと考えました。

2)予想される医学上の貢献及び研究の意義

今回の研究で、鎮静強度とICU退室後の精神機能障害との関連を明らかにできれば、人工呼吸中の鎮静強度がICUで介入可能な原因の候補であることを突き止めることができます。そのうえで、仮説を検証する次の研究へと発展させることができます。その先には、患者さんにとって救命のみならずICU退室後の精神、身体機能を含めた“適切な鎮静強度”を検討する臨床上有用な根拠を得ることにつながります。

2. 研究の方法

1)研究対象者

2011 年8月15日~2013年7月23日の間に岡山大学病院集中治療部に48時間以上在室され、人工呼吸療法を行われた成人患者さんの中で、「集中治療の心理的影響とその関連要因に関する研究」に同意をされ、ICU退室3か月後の調査にご協力いただいた141名を研究対象とします。

2)研究期間

倫理委員会承認後~2022年3月31日

3)研究方法

2011年8月15日~2013年7月23日の間に当院の二つのICUで人工呼吸療法を受けられた方で、「集中治療の心理的影響とその関連要因に関する研究」に同意いただき、ICU退室3か月後の調査にご協力いただいた141名の方を対象とします。研究者が診療情報をもとにICU入室中のデータを選び、人工呼吸中の鎮静強度を算出します。ICU退室3か月後の精神機能は,すでにお答えいただいているPTSD、不安、抑うつ症状についての質問票のデータ(IES-R;Impact of Event Scale-Revised、HADS;Hospital Anxiety and Depression Scale)を活用します。そして、鎮静強度とICU退室3か月後の精神機能との関連について統計学的に分析を行い、鎮静強度がICU退室3か月後の精神機能の原因になり得るか否かを調べます。

4)使用する情報

この研究に使用する情報として、カルテおよび「集中治療の心理的影響とその関連要因に関する研究」でお答えいただいた内容から以下の情報を抽出し使用させていただきます。氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

(1)「集中治療の心理的影響とその関連要因に関する研究」のデータベースから抽出する項目

  1. 患者基本情報:年齢、性別、診断名
  2. ICU関連変数:ICU入室理由、緊急/予定入室、手術あり/なし、ICU滞在日数、人工呼吸期間、鎮静剤の種類、麻薬使用
  3. ICU退室1~2週間後の精神機能:不安(HADS-A)、抑うつ(HADS-D)
  4. ICU退室3か月後の精神機能:
    PTSD関連症状(IES-R)、不安(HADS-A)、抑うつ(HADS-D)

(2)診療録から抽出する項目

  1. 患者基本情報:体重
  2. ICU関連変数:ICU入室期間中の鎮静レベル(Richmond Agitation-Sedation Scale;RASS、最大28日まで)、APACHE II、SOFA(sequential organ failure assessment)スコア、疼痛(NRS/CPOT)、せん妄(CAM-ICU)
5)試料・情報の保存、二次利用

この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院新医療研究開発センタープロジェクト管理室内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。

6)研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。

問い合わせ・連絡先

岡山大学病院 看護部/新医療研究開発センタープロジェクト管理室

氏名
岩谷 美貴子
電話
086-235-7994(平日:9時00分~17時00分)