「術後の血管作動薬の使用:前向き国際観察研究」へご協力のお願い
2020年4月1日~2021年3月31日の間に
全身麻酔、手術を受けられた方及びその家族の方へ
研究機関名 岡山大学病院
研究機関長
病院長 | 金澤 右 |
研究責任者
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学 | 教授 | 森松 博史 |
研究分担者
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学 | 助教 | 黒田 浩佐 |
岡山大学病院 周術期管理センター | 医員 | 山之井 智子 |
岡山大学病院 集中治療部 | 医員 | 日笠 友起子 |
岡山大学病院 麻酔科蘇生科 | 医員 | 黒江 泰利 |
岡山大学病院 集中治療部 | 医員 | 清水 達彦 |
岡山大学病院 集中治療部 | 医員 | 佐倉 考信 |
岡山大学病院 麻酔科蘇生科 | 医員 | 大岩 雅彦 |
1. 研究の概要
1)研究の背景および目的
手術後にはしばしば血圧が低くなってしまうことがあります。それに対しては、点滴をしたり、血圧を上げるような薬(昇圧薬)を使うことで対処します。術後にどれくらいの頻度で昇圧薬が必要になるのかについてはわかっていません。また、術後の低血圧への対処法については、病院ごと、地域ごと、国ごとで相当な開きがあると言われていますが、それは確かめられていません。
今回の研究では、ヨーロッパを中心に世界各国の数多くの病院で、術後に昇圧薬を使用される患者さんがどの程度いるのか、そしてどのような薬をどれくらいの量で使っているのかを調べます。さらに、昇圧薬使用に関連した臓器障害の発生率のほか、在院日数や死亡率などの臨床的予後も調査します。患者さんの状態、手術内容、術中管理、医療環境などの要素が術後の昇圧薬投与に関わるかどうかを確認します。
2)予想される医学上の貢献及び研究の意義
この研究によって、手術後の昇圧薬使用の発生率についてのデータが集まります。また、昇圧薬の使用に関して、患者さんの状態や、病院、国によって違いがあるのかどうかのデータ収集ができ、その違いが患者さんの予後に影響するかどうかを調べることができます。これらは今までわかっていなかったことであり新しい知見です。また、これらの結果によって将来の更なる研究につなげることもできます。
2. 研究の方法
1)研究対象者
2020年4月1日~2021年3月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で手術を受けられた方約52800名、岡山大学病院においては手術を受けられた方 約180名を研究対象とします。
2)研究期間
2020年4月1日~2021年12月31日
3)研究方法
2020年4月1日~2021年3月31日の間に当院において手術を受けられた方のうち、①ある1週間に手術を受けられた全ての方(約150名)、また②手術後に低血圧となり昇圧薬を必要とした方30名を対象とします。①に関しては、手術中・術後の記録から昇圧薬を使用したかどうかを調べ、術後に昇圧薬が必要となる割合について分析を行います。②に関しては、術後の昇圧薬使用の期間や使用量を調査し、更に術後1か月間の臓器障害の程度や死亡率などについても情報を集めます。これらの結果より、術後の昇圧薬使用に関連する臨床的転帰について分析します。
4)使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
- 年齢(生年月)、性別、身長、体重、既往歴、内服薬の有無
- 診察所見、血液検査データ(クレアチニン、アルブミン、ヘモグロビン)
- 手術記録(医師用、看護師用)、麻酔記録、集中治療記録
- 術後合併症(呼吸器系、心血管系、腎臓、消化器、感染、外科的)
- 退院日、予後
5)外部への情報の提供
この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供いたします。
ヨーロッパ麻酔学会(Europian Society of Anaesthesiology (ESA))
研究代表者(共同):Ib Jammer、Ben Creagh-Brown
住所:Rue des Comédiens 24, 1000 Brussels, Belgium
電話:+32-2-743-3290
E-mail:research@esahq.org
6)情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後10年間、岡山大学病院麻酔科蘇生科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
7)研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。ただし、2021年3月31日以降は、匿名化を行いどのデータが誰のものなのかわからなくなり、個人情報の開示はできなくなります。
内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2021年3月31日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
問い合わせ・連絡先
岡山大学病院 麻酔科蘇生科
- 代表者氏名
- 森松 博史
- 電話
- 086-235-7778(平日:9時00分~17時00分)
研究組織
- 研究代表機関名:ヨーロッパ麻酔学会(Europian Society of Anaesthesiology (ESA))
- 研究代表者(共同):Ib Jammer、Ben Creagh-Brown
- 日本国内研究代表機関 :国際医療福祉大学 医学部 麻酔・集中治療医学
- 日本国内研究代表責任者:国際医療福祉大学 医学部 麻酔・集中治療医学 主任教授 倉橋清泰
- その他、世界数十か国の参加施設