「新規敗血症診断マーカーの測定系の開発」へご協力のお願い
2018年9月26日~2019年12月31日までに
「HRGの検体採取法の確立のための臨床研究」にご参加いただいた方及びその家族の方へ
研究機関名 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長
研究科長 | 大塚 愛二 |
研究機関名 岡山大学病院
研究機関長
病院長 | 金澤 右 |
研究責任者
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野 | 教授 | 森松 博史 |
研究分担者
岡山大学病院 手術部 | 助教 | 清水 一好 |
岡山大学病院 集中治療部 | 助教 | 鈴木 聡 |
岡山大学病院 麻酔科蘇生科 | 医員 (大学院生) |
大岩 雅彦 |
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野 | 助教 | 黒田 浩佐 |
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野 | 大学院生 (医師) |
川上 直哉 |
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学分野 | 教授 | 西堀 正洋 |
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学分野 | 講師 | 和氣 秀徳 |
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学分野 | 助教 | 勅使川原 匡 |
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学分野 | 非常勤 研究員 |
劉 克約 |
臨床研究コーディネータ
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野 | 技術職員 | 井上 ゆい |
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野 | 臨床研究 コーディネータ |
安田 寛子 |
共同研究者 塩野義製薬株式会社
バイオマーカー研究開発部
事業推進ユニット | ユニット長 | 五十嵐 雅代 |
マーカーシステム開発グループ | グループ長 | 西 裕史 |
マーカーシステム開発グループ | 研究員 | 内海 崇興 |
マーカーシステム開発グループ | 研究員 | 東浦 匡仁 |
マーカーシステム開発グループ | 研究員 | 井上 洋子 |
1. 研究の概要
1)研究の背景および目的
敗血症は、感染に対する生体防御反応の調節不全が原因で多臓器不全やショックを引き起こす疾患です。その治療法の開発に向けて、世界的規模で活発な研究が続けられています。しかし、現在まで本質的に敗血症を治療できる薬物は見出されていません。また、敗血症患者の状態を反映するマーカーも見つかっておらず、治療の際、症状が快方に向かっているかどうかの判断や、急激な悪化を予測できないことがあります。そのため、新規マーカーや治療薬の開発が急務となっています。
我々のこれまでの研究により、敗血症になると血中に存在するタンパクの一つである高ヒスチジン糖タンパク質(HRG)が減少することがわかりました。白血球の一種である好中球を活性化させないようにブレーキの役割を担っているHRGが減少することで、全身で炎症が引き起こされ、多臓器不全につながる可能性が考えられます。また、HRG値を測定することで敗血症の診断や重症度・予後の予測を行える可能性が示唆されています。今回、皆さんにご参加頂きたいと考えている研究では、HRGの敗血症診断マーカーとしての有用性を明らかにする目的で、HRGの測定系の構築や性能評価を実施するために患者さんから採血した検体を使用させて頂きます。
2)予想される医学上の貢献及び研究の意義
提供して頂く血液を解析してHRGを敗血症の新規マーカーとして利用することで、急激に変化する敗血症患者の状態予測が可能となり、迅速に処置を行うことができるようになります。本研究によって得られた成果は、基礎的な研究面での大きな発展とともに、現在まで存在しなかった敗血症の重症度に応じた新規マーカーや新規治療薬が創られる可能性があり、敗血症の検査法や治療法の確立という医学上の貢献がなされることが期待されます。
2. 研究の方法
1)研究対象者
この研究は、「HRG の検体採取法の確立のための臨床研究」において採取した検体の保管検体の一部を使用させて頂きます。(岡山大学病院の集中治療室に入院されている方のうち、臓器障害(SOFAスコア2点以上)を起こしている患者さん30人から採取した検体)
* SOFAスコア:呼吸、循環系、中枢神経系、肝臓、腎臓および凝固系といった臓器障害を簡便に点数化してその合計点で重症度を判定することを目的に作成されたものなお、臓器障害を起こしている患者さんを解析するためには、意識障害のある方も含めて臓器障害を起こしている全ての患者さんのご協力が必要不可欠となります。ご協力をお願い致します。
また、塩野義製薬株式会社の研究倫理委員会で承認を取得した研究で採取した健常者検体の一部を比較対象として使用します。
2)研究期間
この研究は、臨床研究審査専門委員会承認後から2021年3月31日の期間で実施されます。
3)研究方法
この研究では、「HRG検体採取法の確立のための臨床研究」において採取した血液(合計採血量:最大約22mL)の残余検体や患者さんのカルテから抽出した情報(病歴、血液検査、感染症検査、SOFAスコア、手術記録などのデータ)を使用します。
患者さんから提供して頂いた血液は、HRGや炎症を惹起する物質の測定などを行います。これによって、適切なHRGの測定系の構築や性能評価ができると考えられます。
患者さんの血液や情報は共同研究機関である塩野義製薬株式会社に送付します。
この研究は、医師が研究を続けることが難しいと判断した場合には、医師の判断により中止することがあります。
4)使用する試料
この研究に使用する試料として、すでに保存されている血液を使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報が漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
5)使用する情報
この研究に使用する情報として、すでに保存されている下記の情報を使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
- 患者基本情報:年齢,性別,診断名,合併症
- 臨床情報:採血日,発症日,入院日,退院日,術前術後,SOFA score,APACHE II score
- 投薬情報:採血時までに原疾患に対して使用されていた治療薬
- 血液検査:CRP,PCT,P-SEP,IL-6,血球検査,血液培養による菌種同定結果
※4. 血液検査結果は日常診療行為として実施された場合に情報を入手します。
6)外部への試料・情報の提供
この研究に使用する試料・情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
塩野義製薬株式会社
7)試料・情報の保存、二次利用
この研究に使用した試料・情報は、研究の中止または研究終了後10年間、施錠可能な場所(岡山大学大学院 麻酔・蘇生学教室および薬理学教室,塩野義製薬株式会社)保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の試料・情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した試料・情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
8)研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、令和2年4月30日までの間に、下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
問い合わせ・連絡先
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野
- 教授
- 森松 博史
- 電話
- 086-235-7327(平日:9時~17時)
- morima-h@cc.okayama-u.ac.jp
- 住所
- 〒700-8558 岡山市北区鹿田町二丁目5番1号
研究組織
- 研究代表機関名 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
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研究代表責任者 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
麻酔・蘇生学分野 教授 森松 博史
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共同研究機関 塩野義製薬株式会社 バイオマーカー研究開発部
事業推進ユニット ユニット長 五十嵐 雅代