鹿田風景

2021.09.24 お知らせ

13th MOMO seminar報告書

お知らせ

第13回MOMOセミナー 2021/09/17

報告 鄭芳毅

 

症例提示:鄭

テーマ:冠動脈バイパス術中の体外循環離脱時に左房から左室へ流入する血栓を認め再度心停止下に血栓除去した1例

心房細動や弁膜症の既往がない低心機能(EF:30%、高度壁運動低下)を有する3枝病変に対してCABG術中に、術前には指摘のない左房内血栓を体外循環離脱前にTEEで発見し、再度心停止下に血栓除去をした症例です。血栓の病理結果から形成されて2〜5日以内のものだと分かり、入院時もしくは入院中に形成された可能性が高いです。麻酔導入直後や体外循環離脱時のTEEでの左房内血栓の検索は重大な塞栓症を予防する上で有用です。

 

特別講義:成谷先生

テーマ:専門医試験口頭諮問体験談

専門医試験内容は記述、口頭諮問、実技の3種あり、先生の場合は記述:口頭諮問=98%:2%の割合で対策されたそうです。諮問のテーマは悪性高熱から始まり、特定の手術における注意点や合併症など一連の質疑応答の内容を詳細にスライドにまとめくださり、非常に臨場感のある講義でとても参考になりました。口頭諮問を終えての対策ポイントとして考えていらっしゃるのは、重箱の隅をつつくような知識ではなく、麻酔に関するごく一般的な知識をアウトプットできること、また、試験官を患者さんやコメディカル、他科の先生に見立てて応答する場合もあり、相手によって専門用語や説明内容を変えたりと接遇が重視されていることを挙げられていました。

 

Journal Club 森松教授

テーマ:ICUにおける輸液負荷の流速で比較した90日死亡率

生食とリンゲル液をそれぞれ緩徐(333ml/h) vs 急速(999ml/h)に分類した2×2の研究モデルです。流速による比較では90日死亡率に有意差はありませんでしたが、3日目のsofaスコアのうち、心血管系と呼吸器系の項目が緩徐群の方がスコアはよく、血液系の項目で急速軍の方がスコアは良かったです。ただし、7日目になるとどの項目においてもsofaスコアの有意差はなくなります。生食 vs リンゲル液でも90日死亡率は差がないですが、頭部外傷においては生食の方が有意でした。

この論文の結果を受けて、輸液負荷の流速に関してはまだ有意差がありませんが、臨床において輸液負荷をする場合は100ml/hの流速などがよくみられますが、「輸液負荷」という概念では少なくともコントロール群の300ml/h以上は必要なんだと再確認になりました。