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2017.09.03 お知らせ
Angiotensin II for the Treatment of Vasodilatory Shock. Khanna A, English SW, Wang XS, Ham K, Tumlin J, Szerlip H, et al. N Engl J Med [Internet]. 2017;377(5):419?30. Available from: http://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1704154
Background
血管拡張性ショックの予後は悪く、30日死亡率は50%を越えるとされている。
現在臨床的には血管収縮薬はカテコラミンとバゾプレッシンの2種類しかないが、生体にはレニンーアンギオテンシンーアルドステロン系が血管収縮系として存在し、いくつかの先行研究はその有効性を示している。
Hypothesis and Objective
カテコラミンに抵抗性の血管拡張性ショック患者において、アンギオテンシンIIの追加が血圧の改善につながる。
Methods
Inclusion criteria
18歳以上
輸液負荷>25ml/kg over 24時間と高容量血管収縮薬
血管拡張性ショックとは心係数>2.3 L/min/m2またはScvO2 > 70%でCVP > 8かつMAP 55-70 mmHg
高容量血管収縮薬とは0.2μg/kg/min以上が6時間以上かつ48時間以内
膀胱カテーテルと動脈ライン
Exclusion criteria
20%以上の熱傷
急性冠症候群
気管支れん縮
肝不全etc.
Study protocol and intervention
1:1のRCT
Stratified MAP < 65 mmHg or not, APACHE II < 30, 31-40, 41<
アンギオテンシンは20ng/kg/minでスタート
最初の3時間はMAP > 75 mmHgをターゲットに調節
この3時間はベースの血管収縮薬は固定
Maxは200ng/kg/min
3時間-48時間まではMAP 65-75 mmHgをターゲットにアンギオテンシンまたはプレセボを調整(アンギオテンシンは1.25-40 ng/kg/min
48時間以降は試験薬は中止、中止後にノルアド必要量が> 0.1γもしくは循環が不安定な場合試験薬再開 up to 7日
中止後3時間経ったら再開不可
Primary and secondary endpoint
Primary endpoint: 3時間後の血圧変化; MAP > 75mmHgまたは10mmHg以上の上昇がベースライン昇圧薬の変更無しで達成
Secondary: Cardiovascular SOFA and Total SOFA
Results
2015年5月から2017年1月
75ICUs北米、オーストラリア、ヨーロッパ
404名スクリーン、344名無作為化、最終321名で163名がアンギオテンシン、158名プラセボ
259/321名(807%)が敗血症
Primary outcome: (69.9% vs. 23.4%, P<0.001; odds ratio, 7.95; 95%
confidence interval [CI], 4.76 to 13.3)
Secondary: 48時間後のCardiovascular SOFAは(−1.75 in Ang vs. −1.28 in the placebo, P = 0.01).
Total SOFAはno difference
Safetyには差無し。
Conclusion
高容量の血管収縮薬を投与されている患者でもアンギオテンシンIIの投与は血圧を上昇させ、カテコラミンの減量を可能にした。
Strength of the study
北米、ヨーロッパ、オーストラリアを巻き込んだ多施設研究
Human firstに近い
Limitation of the study
アウトカムは血圧の反応で、予後には影響なし(Day 7 mortality 28.8% vs 34.8% HR: 0.78 (0.53 to 1.16; p=0.22) (Day 28 mortality 46.0% vs 53.8% HR 0.78 (0.57 to 1.07; p=0.12)
General Discussion
既に製薬会社がスポンサー。
次には製剤として予後をアウトカムとしてRCTか。
選択肢が増えることは歓迎であるが、副作用には注意か?