直島セミナーでした。
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広東省麻酔学会に参加しました。
2017.08.19 お知らせ
# Journal Club 2017.08.13
2017.08.13 お知らせ
# Journal Club 2017.08.13
Video Laryngoscopy vs Direct Laryngoscopy on Successful First-Pass Orotracheal Intubation Among ICU Patients
A Randomized Clinical Trial
JAMA. 2017;317(5):483?93.
Background
気管挿管は危険を伴う手技である。
近年ビデオ喉頭鏡がよく使われ始めた。
Hypothesis and Objective
ルーチンでビデオ喉頭鏡を使うと通常の挿管より一回目で挿管に成功する確率が増える。
Methods
MacGrathとMacintosh喉頭鏡の比較
7 ICUs in France
Inclusion criteria
経口挿管が必要な患者
Exclusion criteria
経口挿管が禁忌の患者、時間的に余裕がない、18歳以下、妊娠、授乳中、精神科入院中、保護が必要、保険無し、同意拒否、他の挿管に関連するRCTに参加
Study protocol and intervention
挿管手技
1. 十分な酸素でpre oxygenation
2. 筋弛緩はサクシニルコリンまたはロクロニウム、鎮静はエトミデートまたはケタミン
3. マックグラスか喉頭鏡で挿管。スタイレットは使わない
4. 挿管の確認はcapnographyで4回以上の波形
5. 一回目失敗した後は自由に選択可能
Primary and secondary endpoint
Primary endpoint: 経口挿管の成功(呼気二酸化炭素波形が4波形以上きれいに出る)
Secondary endpoints: ?経口挿管の成功(何回目でも)?鎮静薬投与から挿管までの時間?Cormack-Lehane grade?・・・?合併症(死亡、心停止、循環虚脱(血圧<90 mmHg)、低酸素(SpO2 < 90%)、重症低酸素 (SpO2<80%)、食道挿管、誤嚥、不整脈、歯牙損傷)
Results
Primary
一回目で挿管できた率 MacGrath 126/186 67.7% vs 喉頭鏡 130/185 70.3% 差-2.5% [95% CI -11.9% to 6.9%]; p=0.60。
Secondary
エキスパートの初回成功率は55/60で91.7%、非エキスパートは201/311で64.6% (difference 27.1% 95% CI 18.2% - 35.8%; p=0.001)
The proportion of patients with was higher in the video laryngoscopy group (9.5% vs 2.8% in the direct laryngoscopy group; absolute difference, 6.7%[95%CI, 1.8%to 11.6%]; P = .01)
severe life-threatening complicationsはビデオ群で9.5% vs 喉頭鏡で2.8% difference 6.7% 95% CI 1.8% - 11.6%; p=0.01
Conclusion
ビデオ喉頭鏡によるIUCでの経口挿管は成功率を上げず、重症の合併症を増やした。
Strength of the study
多施設のRCTである。
Limitation of the study
群間に差はないが最初のトライは80%以上が非エキスパート。
誰のための道具???
General Discussion
もともと挿管が下手な人ではどっちでも一緒かな?
挿管の理由もneurologicが40%呼吸不全は28%?
一般化するにはちょっと無理がある。
Journal Club 2017.08.09
2017.08.09 お知らせ
Relationship between Intraoperative Hypotension, Defined by Either Reduction from Baseline or Absolute Thresholds, and Acute Kidney and Myocardial Injury
after Noncardiac Surgery
A Retrospective Cohort Analysis
Salmasi V, Maheshwari K, Yang D, Mascha EJ, Singh A, Sessler DI, et al. Anesthesiology [Internet]. 2017 Jan;126(1):47?65. Available from: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27792044
Background
低血圧が腎傷害や心筋障害を引き起こすことはよく知られている。
しかし低血圧の定義は様々で、一般的には術前値から20%の低下を使うことが多い。
Hypothesis and Objective
非心臓手術における術後腎傷害と心筋障害と術中の絶対的および相対的低血圧の関係を調べる。
Methods
retrospective cohort study.
2005-2014の十年間にCleveland Clinicで行われた非心臓手術
Inclusion criteria
2005-2014の十年間にCleveland Clinicで行われた非心臓手術
術前と術後7日以内にクレアチニンの測定がの残っているもの
術前の6ヶ月以内の血圧が残っているもの
Exclusion criteria
慢性腎障害(術前eGFR<60 ml/1.73m2)
泌尿器科的尿管閉塞解除術、腎移植
60分以内の手術
連続する10分以上血圧などの記録がないもの
Study protocol and intervention
Primary and secondary endpoint
1.術後心筋障害はトロポニンTまたはCKMBが正常値以上に上昇したもの。TpTやCKMBの測定がないものは心筋障害無しと扱う。
2.術前と術後7日目までの最大値を比較。AKIN分類で1.5倍または0.3mg/dLの上昇でAKIあり。
Results
164,514名から57,315名が適合。
心筋障害が3.1%、AKIが5.6%。
MAP < 65 mmHgが13分以上続いた人は有意に心筋障害や腎傷害が多い。
相対値(<20%)は絶対値と比較して有効性ない。
Conclusion
平均血圧65mmHg以下は心筋障害や腎傷害と関連している。
相対値は絶対値と比べてメリットはない。
Strength of the study
数が多い。
解析が精密。
Limitation of the study
後ろ向き研究。
General Discussion
術中低血圧に関する後ろ向き研究ですが、10年間の患者で5万人を越えるnです。
結局平均血圧65mmHg以下が悪くて、術前値や術前の20%以上の低下はあまり有効ではありませんでした。
筆者らは術中の血圧ターゲットはMAP < 65 mmHgで充分という論調です。
心筋障害やAKIの定義がこれでいいのか?前向き研究が必要ではありますが、術中の低血圧をもう少し見直してみる必要があるかも知れません。
ストレスフリーと低血圧予防の2点を両立する必要がありますかね?