今回はペリオの講演をしました。
多くの先輩方にもお会いできました。
病院機能分化とペリオ
Journal Club 2016.11.09
2016.11.09 お知らせ
McGuinness SP, Parke RL, Drummond K, Willcox T, Bailey M. A Multicenter, Randomized, Controlled Phase IIb Trial of Avoidance of Hyperoxemia during Cardiopulmonary Bypass. Anesthesiology. 2016;125:465-474. doi:10.1097/ALN.0000000000001226.
Background
世界的に年間約125万人の患者が心臓手術を受けている。
人工心肺中は血液の酸素レベルを正常値以上に高く保つことが一般的である。
CPBによる臓器障害の中でもAKIは頻度が高く、酸化ストレスが一因かも知れない。
高酸素状態は酸化ストレスを増やし、腎傷害、虚血再還流の悪化、循環への悪影響を起こすと言われている。
一般的にはCPB中には高酸素が許容されているが、モニタリングの向上により生理学的な酸素レベルでの管理が可能となるかも知れない。
Hypothesis and Objective
周術期の高酸素の回避が酸化ストレスを減らし、人工心肺使用時の心臓外科手術関連臓器障害を減らすことができる。
Methods
Inclusion criteria
16歳以上、CPBを用いた心臓手術。
Exclusion criteria
術前腎機能障害
正常の2倍以上の肝機能障害
6週間以内のstroke
妊娠
循環停止、IABP
Study protocol and intervention
介入群では、麻酔導入後から、手術終了までターゲットのPaO2は、75-90 mmHG
麻酔導入後からCPBまではターゲットSpO2は92-95%
CPB中は持続血液ガス測定
コントロールは通常の管理でCPB中はSpO2を99%に保つようにする。
Primary and secondary endpoint
一次評価項目はKDIGO分類でのAKIの頻度
二次評価項目はトロポニン、AST, アミラーゼ、CRPと人工呼吸期間、ICU stay, hospital stay
Sample size calculation
以前のデータベースではCSA-AKIの頻度は67%
25%のRRRを考えると286名が必要
Results
2012年12月から2014年5月までに298名がランダム化
148名がコントロールで150名がインターベンション
有害事象はなく8名がICUで1名が退院後に死亡
一次評価項目
AKI頻度 コントロール群 66.2% vsインターベンション群72% (-5.8% 16.1 to 4.7%, p=0.28)
その他の項目にも何も差はない。
Conclusion
CPB中のPaO2を170mmHgに保った群と90mmHgに保った群ではAKIの発生頻度には変わりはなかった。
Strength of the study
約300名のRCT
Limitation of the study
Control群でもPaO2は平均170 mmHg
酸化ストレスの指標は無し
General Discussion
Hyperoxiaにしないと差は出ないのかな?
KDIGO AKIでとるとCPB後AKIの頻度は60-70%に上ります。