FranceのProf. Futierをお迎えして、講演会を行いました。
41歳でNEJM、Professorです。
日本でもこうなれるようにしたいですね。
Lung Protective Ventilationの講演会を行いました。
2016.05.30 お知らせ
Journal Club 2016.05.05
2016.05.05 お知らせ
Journal Club 2016.05.05
Zheng Z, Jayaram R, Jiang L, et al. Perioperative Rosuvastatin in Cardiac Surgery. N Engl J Med. 2016;374(18):1744?1753. doi:10.1056/NEJMoa1507750.
中国とイギリスの国際共同研究です。
Objective: 心臓外科手術周術期のスタチン療法が心房細動や心筋障害を軽減できるか?
Desigh: RCT
Patients: 18歳以上、CABG and/or AVR、洞調律で不整脈薬内服なし(βブロッカーはOK)。除外基準はModerate to severe MV disease、Cr>2.3 mg/dL、スタチンが飲めない人
Intervention
ベースラインの採血や検査を行った後、ロスバスタチン20mg/dayまたはプラセボを手術の最大8日前より5日後まで継続。
Primary outcomes
心房細動の発生:術後5日間はホルター心電図
心筋障害:トロポニンIを6、24、48、120時間後に採血 Area Under the Curveで評価
Secondary outcomes
臨床的心房細動、別の方法で測定した心筋障害、院内有害事象と死亡、ICUや病院滞在日数、LOCS、胸水、感染、退院時の駆出率、急性腎傷害、バイオマーカー。
Results
1922名がランダム化。87%がCABG、10%がAVR。55%がon-pump。
LDLコレステロールは有意にスタチングループで低下。(スタチンは効いている)
Primary outcome
心房細動はスタチン群21% vs コントロール群20%(OR 1.04, 0.84 to 1.30; p=0.72)。いかなるサブグループでも心房細動の発生率に差はなし。
Coprimary outcomeのTnIも全く有意差なし。 (between-group difference 1%; -9 to 13%; p=0.80)
Adverse outcome
臨床的な心房細動は入院中にスタチン群で16% vs コントロール12%; p=0.03。
クレアチニンは明らかにスタチン群で高い。(at 48 hours 1.02 vs 0.99; p=0.007, at 120hr, 0.87 vs 0.83; p=0.001)これは臨床的にはあまり意味がない???
Conlusion
周術期のスタチン療法は予定心臓外科手術術後の心房細動や心筋障害を軽減しなかった。
前回のアトロバスタチンに続いてスタチンは心臓外科手術周術期に使っても良いことはないようです。
Journal Club 2016.05.01
2016.05.01 お知らせ
High-Dose Perioperative Atorvastatin and Acute Kidney Injury
Following Cardiac Surgery A Randomized Clinical Trial
Frederic T. Billings IV,MD, MSc; Patricia A. Hendricks, RN; Jonathan S. Schildcrout, PhD; Yaping Shi, MS;
Michael R. Petracek, MD; John G. Byrne, MD; Nancy J. Brown, MD
JAMA. 2016;315(9):877-888. doi:10.1001/jama.2016.0548
Objective: 心臓外科手術周術期のアトルバスタチン大量投与は術後のAKIを減少させるか?
Design: Single center, double-blinded, RCT.
Intervention: スタチンを元々飲んでいなかった人は術前日に80mg、当日以後40mg/日またはプラセボ。スタチンを元々飲んでいた人は術当日に80mgと術翌日40mgまたはプラセボでそれ以外は通常通りのスタチン内服。
Main outcome: AKI クレアチニン>0.3mg/dLの上昇。
Secondary outcomes: クレアチニン上昇の程度、ICUでのせん妄、CK-MB、Af、肺炎、Stroke。
研究はスタチンを飲んでいなかった群でAKIが多くまたスタチンを飲んでいた群でも有意差は得られそうにないので、研究は途中でストップ。
Results: 2009年11月から2014年10月までに4466名が心臓手術。そのうち614名がradomized。200名はスタチンを飲んでいない人で、417名はすでにスタチンを飲んでいる人。
Main outcome: AKI; スタチン群 64/308 (20.8%) vs プラセボ群60/307 (19.5%) p=0.75 RR 1.06 (0.78 to 1.46) 有意差無し
Secondary outcome: クレアチニン上昇 スタチン群 0.07mg/dL (-0.13 to .51 mg/dL) vs 0.07mg/dL (-0.12 to 0.52 mg/dL) mean difference -0.01 mg/dL (-0.06 to 0.04 mg/dL); p=0.89 有意差無し
Subgroup analyses
スタチンを元々飲んでなかった人
AKI スタチン群22/102 (21.6%) vs プラセボ群13/97 (13.4%) RR 1.61 (0.86 to 3.01);p=0.15
クレアチニン値 スタチン群 0.11 mg/dL (-0.11 to 0.56) mg/dL vs プラセボ群0.05(-0.12 to 0.33) mg/dL mean difference 0.08 mg/dL (0.01 to 0.15) mg/dL; p=0.007
つまりAKIの発生率には差がないが、クレアチニンの上昇はスタチン群で有意に高い。
スタチンを飲んでいた人では有意差無し。
Conclusion
心臓外科手術患者で高容量のアトルバスタチンはAKIの発生率を下げなかった。